北海道旅行記 幻の橋 タウシュベツ川橋梁 滅びゆく美学の全て
北海道旅行記 幻の橋 タウシュベツ川橋梁滅びゆく美学の全てどーも、フジさんです。今回は普段の内容は全く違うブログとなります。旅行記?タウシュベツ?何じゃそりゃ?!実は私は北海道が大好きでして年に一度旅行するのを楽しみにしています。で、今回は十勝帯広地区にしようと。それはタウシュベツ川橋梁を偶然知りこれは絶対見たい!となり今回の旅のメインテーマとなった訳でして。結局二泊三日の行程でしたが今さら帯広の旅行記なんてブログに書いても面白くなのでそこは多数あるYouTubeにお任せしてタウシュベツ川橋梁の解説と実際の旅行記のみとさせていただきます。観光とグルメの町 十勝帯広満喫しましたがとりあえず今回は割愛でwまあ、たまにはこんなブログもいいかなとw「タウシュベツ」とはアイヌ語の「樺(かば)の木が多い川」の意味です。この橋梁が幻の橋でありレアで実際見るのが困難極まる事が私の琴線に触れました。それではまずは解説から行きましょうか。何故、幻の橋と言われるのか?少し長くなりますがこれを書かないと意味がないので。タウシュベツ川橋梁は旧国鉄時代の戦前に開通した旧士幌線に建設された鉄道の橋梁です。場所はここでちょうど北海道の真ん中辺りですね。当然冬は極寒の地です。同時の装備や重機を考えればかなり難工事だったと思われます。昔からこの辺りは林業と農業で栄えた場所でその木材と収穫物を運搬するのに鉄道が必要になるのは至極当然の事でした。当時の日本は戦前のイケイケ時代。北海道の開拓森林資源確保は国家の一大事となればやがて起こるであろう戦争の為にも国や軍の意向に何としても国民は即 動かねばなりません。という事で無事完成しました。当時は材木景気もありこの集落は大変賑わったそうです。で、その橋梁なんですがタウシュベツだけではありません。河川が多く複雑な地形の現地ではトンネルや橋梁がいくつも作られました。それらの中の一つで最大な橋梁がタウシュベツだったのです。その形状はコンクリート製のアーチ状の橋でして工法は現場打ちの鉄筋コンクリート枠の内部に割石を詰める独特の方式(側壁にのみ鉄筋を入れる無筋コンクリート構造に近い)でした。これは資材輸送が困難な山間部で安く早く優美なアーチを造る工夫が施されており蒸気機関車が通れる強度を確保しつつ景観に調和する設計だったのです。優美とか景観に調和する事まで考えて設計したとは当時の技術者達の叡智は凄いなぁと感心しますよね。そんな絶好調だったタウシュベツ界隈。しかし、栄華は続かなかったのです。そう敗戦でした。ボロボロの日本。さらに乱獲による木材需要の下落新たな資源への移行という訳でこの地方に見切りをつけ離れる人間が激増したのです。さらにさらに戦後の復興の為電力の供給が国家の最優先事項となり水力発電所の建設が急務となりました。何とその場所にこの地が選ばれたのです。えー!苦労して鉄道敷いたのに僅か十数年後に水没させるの?とは思われたのですが地形や立地を熟慮した結果この地がベストと判断され電力供給という国家計画には抗えず水力発電所が建設されました。そのダム専用湖が糠平湖となりタウシュベツ橋梁は湖の底に沈んだのです。一方の鉄道はその糠平湖の周りを沿うように代替え路線が建設されかろうじて生きながらえました。ただ、その後過疎化は止まらず士幌線は1987年完全に廃線となってしまったのです。過疎が進まず人口が多い状況だったらここがダム湖にならなかったかもしれません。幸か不幸か…とまぁ、ここで話しが終われば割とよくある話しなんですがそうではないのでした。糠平湖はダム専用の人造湖なので水位の上下が激しく年間で数十メートル変化します。その低下の時期になると何と沈んだタウシュベツ橋梁が姿を現すのです!おー!最初は大して騒がれなかったんですが2001年
「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」として第1回北海道遺産に選定されたのが転機となりそこから地元や写真家や鉄道オタクからジワジワと広がり2010年にJR北海道の準鉄道記念物に指定されました。それ以降SNSの普及に伴い「映える橋」として人気になり現在に至っています。一目見た方は何だこれは!と感じると思います。大自然の中に美しい造形物が突然現れるのですからそのコントラストに思わず息を飲むことでしょう。古代ローマの水道橋遺跡を思わせるその姿は11連のアーチを作り静かに佇んでいます。しかもいつも見られる訳ではなく年間の渇水期の数ヶ月だけ。更に本来なら湖の底に沈んだ全く見る事が出来ない橋なのに何の因果か現れてくるのです。それとダム湖に沈んだという歴史と刹那…幻の橋と言われる所以はそこにあります。しかし、所以はそれだけではないのです。それはいつ崩壊するか分からない!という事もあるのです。水没中の水圧、冬季の氷による外力及び、凍結・融解を繰り返す凍害から橋桁の損傷は拡大を続けています。しかも先述の現場打ち鉄筋コンクリート枠の内部に割石を詰める工法はもし外側の枠が崩れたなら内部の詰め石が容易に崩壊する欠点をも抱えていたのです。地上にある同じ作りの橋梁より強度は数十分の一と言われていますし。更に地震や厳しい自然環境による痛み具合は肉眼でもはっきりと見えており正にいつ崩壊してもおかしくない状況にあります。崩壊の危機に瀕している。これは今見ないと二度と見られないかもしれない!そう考えるともう止まりません。私のタウシュベツへの計画はここに始まったのです。それが第二の所以です。しかし、まだあるのです。それはアクセスが悪い事と規制が多くハードルが高いという事でした。アクセスは帯広空港からレンタカーを借りて約2時間強帯広駅から同じく1時間半位で到着するのでまあまあ遠いですが何とかなるかなと。問題はタウシュベツ橋梁を見るにはその後の困難な規制をどう克服するかにあります。つまり金と時間があれば簡単に見られるという訳ではないのです。現状、タウシュベツ橋梁を見る方法は三つあります。①無料展望台から見るこれが一番簡単です。これなら誰でも単純に見る事が出来ます。しかし!対岸からなので遥か遠く750m先に微かに見えるだけで全く迫力がありません。しかも駐車場は狭く数台しか置けませしその展望台も小さく数名でいっぱいになってしまいます。更に駐車場から展望台までの道がヒグマやスズメバチの生息地で閉鎖の可能性もあります。それでもシーズンには大混雑になりますが…まあ、ただ単純にタウシュベツに行って来たよーっていうだけですねwじゃあ、近くから見るにはどうしたらいいんだよ!?はい。あと二つ方法があります。② 間近の林道ゲートの鍵を事前予約して 車で入る方法鍵?事前予約?実はタウシュベツへの近くまで行ける道はあります。えー?!それを早く言えよ! いや、それが簡単ではなく。国道沿いの脇道を入って行くんですが何の案内看板等もありません。えー!不親切だな!いや、これにはちゃんと理由があります。まず脇道は未舗装のダート道で細くガードレールもありません。そして、すぐゲートがあり鍵が掛かっています。その鍵を開けないと前には進めません。つまり一般車は通行不可なのです。ですから詳しい案内表示はしていません。えー?その鍵は上士幌町観光協会で借りるのですが予約が必要です。https://www.kamishihoro.info/希望日のちょうど1ヶ月前にweb予約開始となるのですがシーズンには争奪戦になります。1日車15台限定のプラチナチケットを目指すのです。そこを何とかゲット出来たら当日は現地から1時間ほど手前の「道の駅かみしほろ」で鍵を借ります。時間は9時〜14時で1人2,000円の協力金が必要となり16時30分までに鍵を返す必要があります。ゲートに到着したら自ら鍵を開け閉めする事は必須です。自転車、徒歩は不可。車も11人以上乗りのマイクロバス等の大型車は不可となります。しかもゲートから近くの駐車場まで4kmあり先述の通り未舗装で道も荒れています。道には険しい小石や鋭い枝も散乱していてタイヤもパンクしそうですし車体にもキズが付きそうです。そして、何と言っても道幅が狭くすれ違いがかなり困難なのです。実は以前はこの道は何の規制も無く誰でも自由に入れたのですが無理なすれ違い等やガードレールも無く路肩も脆弱な為滑落の事故が多発してしまいました。その為、規制が厳しくなってしまい許可車のみ通行可となったのです。また、有数のヒグマの生息地であるため徒歩や自転車等の個人行動はあまりに危険過ぎて絶対不可です。以上の説明を受け国立公園内国有林道である事による環境保護の遵守何があっても自己責任の誓約書にサインしてやっと完成です。どうです?ハードル高いでしょ?まあ、分かるけどもう少し何とかならんの?はい。最後の方法があります。③ ガイドツアーに参加するです。NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターが開催しているツアーでこれも結構ハードルが高いのですが…http://www.guidecentre.jp/まず同日の3ヶ月前からweb予約開始となります。えー!3ヶ月前?はい。トップシーズンならそうなりますがそれ以外ならそこまで急がなくてもいいかもしれませんが…私は結局この方法にしたのですが何とかゲット出来ました。ただ、私はかなりラッキーだったようです。その詳細はこの後の旅行記で書くつもりなのでもう少しお付き合いください。まあ、その位の計画性が無いと難攻不落なタウシュベツは攻略出来ないのですwで、このツアーは2時間で一人5,000円という少し高価かなという値段です。しかし、ツアー終了後は 全然高くない!また行きたい!タウシュベツ最高!と思うほどのツアーだったのです。まあ、ご存知の通りそのくらい感動しないとこのブログは書かないのはいつもと同じですからねw忖度無しタブー無し提灯記事無しがフジさんのブログですからwさて、相変わらず長い前置きでしたwただ、タウシュベツとは何なのか?を知らなければ全く今回のブログは意味が無いのです。という事でまとめるとタウシュベツ橋梁が何故幻の橋と言われるのか?成り立ち歴史が奇跡いつ崩壊するかもしれないという刹那見る事も困難というレアな現象ばかりな橋なのです。しかも更にツアーが終わった時にまだまだ魅力があった事を再発見した次第でして。私が何故今回こんなブログを書き始めたのか?そんな事を考えながらお読みいただければ幸いです。それでは行きましょう。2026年10月15日(木)二泊三日の十勝帯広の旅も本日で最終日となる。今日が最大のメインイベントだ。数週間前から天気を気にしていた。何とか晴れてくれ!その願いが叶い快晴である。しかし、前夜からの暴風がまだ収まりきっていない。強風かぁ大丈夫かな?そんな危惧もあった。しかし、最大の心配はタウシュベツが水没してないかどうかである。予定通り3ヶ月前の同日予約申し込みは無事に終了して以来日々のタウシュベツの様子を伺っていた。万が一水没していたらこのツアーをキャンセルしてもいいし他の橋梁ツアーに変更可能との神対応の返信メールも貰っている。とは言え予定通りのツアーの遂行を祈るのみだ。頼む。水没しないでくれ!実はタウシュベツ橋梁は夏から秋に向けて水没するのが例年の常となっているので私が行く10月はまず見られない確率が高い。ただ、運が良ければ見られる可能性があると。そこに賭けてみたのである。つまり10月はタウシュベツはシーズンオフでありこの時期にしかも3ヶ月前ちょうどにきっちり申し込む変わり者なんて普通はいないのだ。こんな日に予約したのは俺達夫婦だけかもなw女房と笑いあってもいた。状況は日々SNSにアップされる。https://www.instagram.com/guidecentre?dlrf=MXF4M3JrY2kwZjd5ag==https://www.instagram.com/nukabilife?rpxt=amE5d2J2a2x4bWQ57月 大丈夫だ。8月 よし、まだ大丈夫だ。9月 おー!行ける。大丈夫だ!10月 ぬおー!大丈夫じゃないか! やったぜ!という具合に通常なら見られない時期にタウシュベツを見られる!私は賭けに勝ったのだ!8時半過ぎ。ひがし大雪自然ガイドセンターに到着。場所が分かりづらいが何とか到着出来た。帯広市内は快晴だったが今は小雨もチラついている。山の天気は変わりやすいが…えー!頼むよ!受付を済ませ料金を支払うと長靴を貸してくれるシステム。現場は足元が悪いし川を渡る可能性もある。長靴は必須アイテムとなるのは既に把握していた。他の予約者も到着。どうやら私達夫婦だけではなかったようだ。予約者は私ら夫婦を含めた6人にガイド1人である。9時おはようございます!全員お揃いのようですので出発します。それではお車にご乗車願います。車は8人乗り3列シートのバン。タイヤはゴツくてこれならパンクの心配は無いだろうwどうやら車は複数台ありトップシーズンにはそれなりに対応出来るようだが一回のツアーで20〜30人が限界か?通常は午前と午後の一日2回だが多ければ一日4回もあるらしい。ならば最大100名?かもしれないが詳細は不明である。今回はオフシーズンらしく一台だった。いよいよ出発。改めておはようございます。ひがし大雪自然ガイドセンターの上村です。本日はタウシュベツ橋梁ツアーにご参加いただきありがとうございます。2時間のツアーですがどうかよろしくお願いします。背はあまり高くないがガッシリとした体型が服の上からも分かる。良く通る声でこれなら大自然の中でも分かるだろう。頼もしいな。こちらこそよろしくお願いします。いやー、昨晩の風は凄かったですね。皆さん、大丈夫でしたか?ご存知の通りこれから林道を走りますが途中 風による倒木が心配です。以前、林道に入った瞬間から倒木だらけで前に進めずツアーが中止になっちゃいましてね。料金はお返ししましたが今日はそうならないようにお祈りしましょう。マジか。頼む勘弁してくれーその後はタウシュベツの説明がありそうこうしているとあっという間に林道のゲート前まで来た。やはり案内表示等は一切無い。すると鍵を開ける為上村さんが降りて行くと…あれ?鍵が掛かってない!まいったなぁ。昨日最後の個人見学者の方が鍵を閉め忘れたみたいです。マナーは絶対守っていただかないと困るんですよね。まったくである。鍵を閉めていよいよ林道のスタートだ。路面は荒れていて揺れる。小石が飛び枝が散乱している。道は狭くすれ違いは途中途中にある待避所でやり過ごすしかない。それに落ち葉だらけで路肩の位置も不明瞭でありやはりガードレールは無い。無理なすれ違いは事故の元になるのがよく分かった。怖いな。やはり噂通りこの道は自分の運転では走りたくないな。ましてや自分の車なんて絶対お勧めしない。すると、数分後…急停止!あ、倒木が道を遮ってる。あちゃー!やっぱりかー。すいません。ちょっと割と細い倒木で枝を切れば何とかなりそうなんで皆さん、少し手伝ってくれませんか?喜んで!上村さんはノコギリを片手に勢いよく降りて行き我々も後を追った。倒木は白樺だった。ただ、完全に倒れた訳でなく根本は繋がっているがそんなに太くない。彼が手際良く切って行き我々はその細枝を奥の林に投げ捨てた。全員での共同作業。何だか楽しい。面白くなって来たぞ。これぞ大自然の醍醐味だろう。それやこれやで5分後。これでいいでしょう。ご協力ありがとうございました。いえいえ。貴重な体験でした。これ上村さんが対処しなかったらどうなってましたかね?そうですね。普通の人はノコギリなんて持っていないでしょうからここでストップして断念するかパンク覚悟で枝の上を無理に通るかどちらかですね。えー!こんな細い道じゃUターン出来ないしバックでズリズリと?そうなりますねwまあ、それがここの大自然ですし何が起こっても自己責任ですから。とは言えさすがにそれは可哀想なんで今回対処しました。そんな事も私の仕事なんです。なるほど。熊が出たらどうなりますか?タウシュベツ付近に出たらツアーは中止ですね。ただ、ここ十数年そんな事は無くて。林道に出たかもしれないなら様子を見て続行かどうか判断します。タウシュベツの周りは見晴らしがいいので対応はしやすいですがこの辺りはいきなりなんで。じゃあ、この林道はかなり危険かも?そうですね。だから車やバイク限定なんです。ご覧の通りゲートの入り口は徒歩なら簡単に入れます。だからたまに徒歩の方がいるので危険だから引き返して下さいと注意したらお前に関係無いだろうと逆ギレされて殴られそうになりました。熊の行動はある程度予測は出来ますが人間は全く分かりません。よっぽど人間の方が怖いですねwなるほどwさあ、行きましょう。もうすぐですから。数分後駐車場に到着。10台位置けるスペースがありここから徒歩になる。ここならUターンは可能である。ここから徒歩5分位です。足場が悪いので気を付けて下さいね。割とストレートの道を歩く。意外と歩きやすい。どうやらこのストレートなのは線路の跡らしい。この場所に鉄道を敷きその上を蒸気機関車が走っていたのか。よく作ったな。先人達の思いが込み上げる。すると、だんだん足場が悪くなって来た。巨大な流木や岩がそこかしこに。この辺りは満水時は完全に水没する為その時の流木や岩がそのままになっています。気を付けて下さい。そんな巨大な物体を片付ける重機等は無い。全ては自然そのままあるがままなのだ。さあ、糠平湖ですよ。いきなり開けた場所に到着。おー!それは本当にいきなりだった。眼前に美しくも大きな湖が広がる。対岸の木々は何とか紅葉に間に合い美しい。湖の蒼と木々の彩りのコントラストが綺麗だ。おー!対岸に無料展望台があります。見えない位遠いし小さいんですがあっちからは我々は丸見えなんで手でも振っておきましょうかwおーい!見えるかーwそして…さあ、タウシュベツです!ぬおーーーーー!来たーーーー!これがタウシュベツか。この数ヶ月ずっと夢見たモノが今 目の前にある。迫力が凄い。人間の叡智を感じ思わず目頭が熱くなった。圧倒的な存在感。その姿は威風堂々としているがどこか儚さを感じる。無理もない。美しくもあり寂しさもあるからだ。それは先人達の思い抗えなかった時代背景偶然と奇跡の産物周りを見渡せれば超弩級の大自然の中にあるのにここ一ヶ所だけ異空間に迷い込んだようだ。まるでSFの映画の世界にいるような錯覚に陥いる。その対比の素晴らしさにただ佇むしかなかった。思わず息を飲む。あまりの感情の交錯に声も出ない。ぬおーーーーー!私は声にならない声で心の中で静かに吠えた。それではしばらく自由時間とします。各自で自由に見てもらっても結構ですが私は歩いて更に映えるポイントにお連れしますのでついて来てもらっても結構です。いろいろな角度からタウシュベツを堪能して下さい。ただ、足元には十分に気を付けて。じゃあ、50分後に再度ここに集合しましょう。その場所はタウシュベツに到着したすぐの場所で割と平坦な場所である。集合場所にはうってつけであるが全員上村さんに付いて行く事になったのは当然であろう。じゃあ、行きましょう。その前に杖を。少しハードな場所もありますから。と言い杖代わりに流木を選ばせる。そこは天然の杖置き場になっていて長短太細 数十本あって選び放題だった。流木は結構軽いがしっかりしていて杖にはうってつけである。なるほど。よく出来てるなぁ。作りモノじゃない自然の物だけど最適だ。今の場所はタウシュベツを斜めに見る位置にいるのだがやはり正面から見たいしもっと近くからも見たい。その為には上村さんに付いて行き移動する事になる。平坦ではあるが石ころだらけで歩きにくい。更に先へ進み流入する川近くまで降りて行く。油断すると転びそうだ。クソジジイは特に気を付けないとねwしばらく歩くと全景が見えるナイスなスポットに。おー!いいでしょう?これがタウシュベツ全景です!おー!それとこの切り株と一緒に入れて撮るといいですよ。おー!切り株は湖底に数十年眠り続けておりそれはこの地がかつて地上の森林であった証しでもある。触ってみると恐ろしく固く強固だ。半年直射日光に晒されてまた湖底に沈む。気温の変化も激しい。その長年の繰り返しが樹木を強固な物に変化させたのだ。木は生きているのか?それとも朽ち果てているのか?炭のように炭素化したのかもしれない。そう言えば天気はやや雲があるが快晴に近い。ただ、風が強く身体が持って行かれそうになる。まあ、贅沢は言うまい。これが大自然だ。澄み切った青い空真っ白な雲十勝連山の紅葉そして陶磁器のようなタウシュベツこのコントラストの美しさは正に珠玉。素晴らしい。本来ならタウシュベツツアーと紅葉の時期は被らないんです。おー!ラッキーだぜ。じゃあ、対岸に渡りましょう。更に気を付けて下さい。となり川を渡る事になった。日々水かさは増している為渡れる場所は河川の上流に移動し続けている。昨日の目印のポイントから1m位移動している事を考えると数日後には更に上流まで遡らないと渡れなくなるかもしれない。つくづくラッキーだった。そろりそろり。何とか川の中を渡り対岸に到着。ぬかるんでる場所も多いしやはり長靴は必須だった。角度を変えて見るタウシュベツもいい。順光や逆光の違いからかまた違う魅力を放った。さあ、近付いてみましょう。写真では分かりづらいがこの辺りは起伏が激しく歩くのはかなりしんどい。歳は取りたくないですなぁw接近して見ると作りは中々ワイルドだ。本当に外側だけ作って後はそこらの石を突っ込んだだけでwその外側だけ細い鉄筋が使われておりそこが壊れたら中から簡単に崩壊するだろう。もっと鉄筋を使えば丈夫になるだろうが当時は鉄がお国の最重要資源。これがなるべく使わずに強度を保つのにギリギリだったのだろう。触るとポロポロと崩れそうだ。コリャ、本当に崩壊が近いかもしれない。橋には立ち入り禁止なのは当然だろう。やっぱりいい時に来た。また、橋梁の幅は意外と狭いと感じた。本当にこの上を蒸気機関車が走っていたのだろうか?まあ、貨物専用であり従来のサイズよりは小さかったようだ。タウシュベツはその景観から知る人ぞ知る映えスポットだ。その為、過去いろんなアーチストのMVの場所に使われている。つい最近はあるTVドラマのロケにも使われたらしくその日のツアー客は歓喜だったらしい。当然だよね。見たかったな。その俳優の名前は私のようなオッさんでも知ってる超イケメン有名俳優wどうやら最初の個人客の方々が来たようですね。9時に鍵を借り一番に来てもどうしても到着は10時過ぎになる。その個人客が来る前に我々のようなツアー客が先に来る事が出来るのだが先程の枝のトラブル対処等をしなければならない。それをやっていなければ今日彼らは無事に来れていなかっただろう。おそらく彼らはそんな事は知らないはず。タウシュベツは名も無きいろんな方々の働きで成り立っている。今はそれでいいのだろう。ただ、私はこの件を含めタウシュベツをより深く考えたいのだ。それは後で記そう。個人客はどうやら長靴は借りて来なかったようだ。残念だな。川を渡り反対側からも見ないとタウシュベツの魅力を満喫出来ないのに…さて、そろそろ戻りましょうか。どうでしたかタウシュベツ?最高でした!皆さんは運が良かったですね。通常なら湖に沈んでいる時期ですから。去年もそうでしたけど。本当はオフシーズンでしたが日々SNSをチェックしている人ならお、行けるぞって急遽予約をした方もいたでしょう。やはり3ヶ月前から予約していたのは私ら夫婦だけだったようだwでも、水位の状況なんて人造湖なんだからダム側から細かい情報を共有してくれれば誰にでも分かるんじゃないんですか?いや、年間のアバウトな計画しか公表されないんです。ダム側としては大量の放出は別として日々の詳細は一民間企業には公表なんてしてくれないんです。我々が自らが日々ここに足を運び記録を取り過去の実績から鑑みて判断している次第で。たぶんここ数日はツアーは出来ると思ってましたが100%の確約は前日にならないとという正に誰にも分からない状況なんですよ。そうなんですか…ここで私はずっと思っていた事を質問してみた。タウシュベツは素晴らしいです。もっと多くの人に見てもらいたいと思います。ただ、ハードルが高いですよね。例えばあの林道や駐車場を整備したらもっと観光客が呼べるんじゃないですか?そうしたらどうなると思いますか?観光客も増え町も潤うんじゃないですかね?確かに仰る通りかもしれませんが私達はそうは思ってないんですよ。え?例えばあの林道を整備するには巨大な費用が掛かります。ダムはJ-POWER(旧電源開発)のモノですが彼らはそんな事をしても何もメリットはありません。彼らの使命や企業理念は電力の安定供給ですから民間企業としては至極当たり前の事です。かと言って町にもそんな費用を捻出出来る財政はありません。しかも苦労して整備しても年間の半分は沈んでしまう湖です。とても採算は取れないでしょう。だから現状維持なのです。そうですか。残念です。しかし…お気持ちはありがたいのですが何より私達はタウシュベツを〇〇のようにはしたくないんです。(私も行った事がある北海道の有名な観光地だがここは隠しておこう)〇〇は観光客で溢れていますが地元には一円もお金は落ちていません。しかもオーバーツーリズム問題やゴミ問題まで抱えています。それじゃ意味がないんです。なるほど。ここ糠平温泉郷の部屋数のキャパは600です。それ以上受け入れられないし今がベストな状況なんですよ。道が整備され行きやすくなってもただの通過点の観光地になってしまい地元には何のメリットはありません。不便だからこそこうやってツアーに参加していただいたり糠平温泉郷に泊まっていただける。その収益でタウシュベツやここの自然環境を守る費用に充てる事が出来るのですから。だから私達は完全な民間企業ではなくNPO法人なのです。そうでしたか。浅はかな考えですいません。いえいえ、ありがとうございます。じゃあ、最後に一つ。このタウシュベツの修復や保全は出来ないんですか?ただこのまま朽ち果て崩壊するのを待つだけなのはあまりに偲びないですよ。この質問はよくいただくんですが…(ここからは彼の発言後日私が調べた内容等を総合的に検証した個人的な見解を書いて行きます)結論として地元の考えはタウシュベツ川橋梁の修復や保全はしないという事です。その理由は以下の通りです。①莫大な費用が掛かるし 湖にある橋梁を修復するには 物理的技術的に難しい② J-POWER側の許可が得られない③朽ち果てて行く姿にこそ魅力がある④地元の魅力は タウシュベツ橋梁だけではない詳しく説明します。まず誰がどう見ても湖にあるこの巨大な人工物の修復工事は大変だし巨額な費用が掛かるのは納得出来ます。問題は誰が費用を負担するかですがダム湖の所有者であるJ-POWERが出すはずはありませんし地元も無理です。なぜならタウシュベツ橋梁はJ-POWERの所有になりますがJ-POWERはあくまでも糠平湖の水力発電ダムの所有者でありタウシュベツ橋梁の管理者ではないからです。タウシュベツは旧国鉄が放棄した石ころに過ぎないと考えていますしそれに工事中に事故があった場合の責任が問われるリスクもあります。J-POWERの公式の見解は「地元から保存に関する要望があるわけでもなく対応は考えていない」となっておりできれば現状のまま放置しておきたいというのが本音に近いと言えます。冷たいようですが一民間企業であり電力の安定供給が彼らの事業である限り当然の対応です。入場を完全に禁止している訳ではないので地元への配慮は最低限しているのです。ただ、熊や事故による人的被害が出たら即禁止になるでしょうから地元もそれ以上の要求はしないのだと。つまり今はベストではないが現状を鑑みてベターな状況であると考えられるのです。また、万が一修復が出来たとしてもそうなってしまったらただの古い橋になってしまい却って魅力は半減してしまいます。朽ち果てていくからこそ人々の心を撃つのですから。歴史的な背景や脆い作りが反対にタウシュベツを魅了する対象にしてしまったのです。だから今のままでいいと地元は判断したのでしょう。しかし、完全に崩壊したらどうするんでしょうか?地元にとっては大打撃だと思われますがもう近い将来そうなるべく動いているようです。先述のように橋梁はタウシュベツだけではありません。他のアーチ橋群は町が買い取り保全修復して自然、温泉などを組み合わせた観光にシフトしています。つまりタウシュベツだけに頼らない観光を目指しているのです。ある意味腹を決めていると言うかタウシュベツと運命共同体として覚悟を決めているのだと思われます。お疲れ様でした。以上でタウシュベツ橋梁ツアーは終了です。これからタウシュベツは冬を迎えます。たぶん今の状況からして完全には水没しないでしょうから雪と氷に囲まれたタウシュベツも素晴らしいですよ。実は糠平湖は冬が一番のシーズンなんです。完全に凍結するのでワカサギ釣り等でかなり賑わいますしぜひ、糠平湖を歩いて渡って下さい。それにアイスバブル(湖底の切り株からメタンガスが出ていてそれが凍ったモノ)やキノコ岩も見れますから。ちょうど3ヶ月後の1月中旬の三連休は最高でしょう。もう予約がかなり入って来ています。おー!いいですね!でも寒いんでしょうね?大したことないですよ。マイナス20度位ですからwひゃー!それではまたのお越しをお待ちしております。ありがとうございました。こちらこそありがとうございました。という訳でツアーは無事終了しました。予想通りのいや、予想以上の素晴らしいツアーでした。2時間で5千円は安かったと心から思いましたね。こんなレアで素敵な体験は滅多に味わえないでしょう。ただ、日程に無理がありました。この界隈にはまだまだ見るべきモノが沢山あったのに時間が無くて全く見られず残念の一言です。士幌線の他のコンクリートアーチ橋梁群は近くに多く点在していましたしひがし大雪自然館や上士幌町鉄道資料館もじっくりと見たかったです。また、廃線廃駅跡やひがし大雪高原鉄道(エコレール)もあったのに…どうもタウシュベツだけに頭がいっぱいで他に目が行かず自分の愚かさに後悔するばかりです。よし、もう一回行こう!そう思いました。四季によって全く見え方が変わるタウシュベツとその界隈。その時は糠平温泉に泊まって思う存分堪能したいと思います。しかし、タウシュベツとは不思議な存在です。そのアクセスの悪さ故にメジャーな観光地にならない運命。しかし、それが却ってタウシュベツを魅力的にする皮肉。存在自体が奇跡であり滅び行く美学でもあるのです。もう二度と見られないかもしれない。そんな刹那に人々は魅力されるのでしょう。はて?存在が奇跡?もう二度と見られないかも?刹那?美学?これは何かと似てる?はい。このブログを以前からお読みの方はもうお分かりでしょう。世界に誇る日本のバンドなのに国内ではほとんど認知されていない結成当時から解散、消滅が噂され続けた稀有なバンド。こんな奇跡がいつまでも続く訳がない…そのバンドとは…敢えて申し上げるのはやめておきましょう。私が何故タウシュベツに惹かれるのか?それは運命に導かれたのかもしれません。なんていつものキモいエンディングで終わりとさせていただきます。今回のブログで少しでも多くの方がタウシュベツに興味を持っていただけたら幸いです。却って弱小ブログでちょうどいいかもwそれではSEE YOU!
[紹介元] フジさんのBABYMETALブログ 北海道旅行記 幻の橋 タウシュベツ川橋梁 滅びゆく美学の全て





















